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腎臓内科(腎臓内科学)

責任者からのメッセージ

鶴屋 和彦(教授)

近年、慢性腎臓病(CKD)という疾患概念が提唱され、末期腎不全への進展だけでなく心血管合併症の重要な危険因子であることが多くの研究で明らかにされました。“心腎連関”という概念も定着し、CKDに対する認識は飛躍的に高まっています。CKDの有病率の高さと早期発見・早期治療の重要性がわが国でも広く認識されるようになり、腎臓専門医の役割は社会的にも大きくなっています。

このような状況のなかで、2018年1月に当科は新たに開設されました。当科の目標は、「医の心」を持ち、「検尿異常から透析・腎移植までをスタンダードに対処できる腎臓専門医」を育成することです。すべての腎臓病に対処し、腎臓病だけでなく全身を診ること、さらには、身体面だけでなく精神面や社会面まで考えた全人的医療を行うことを目標としています。また、臨床だけでなく研究も重要と考え、さまざまな腎臓病の機序の解明や治療法の開発について世界へ情報発信することも目標にしています。まだ開設されたばかりで微力ではありますが、全員で力を合わせて本講座を発展させていきたいと考えています。是非、皆様のご参加をお待ちしております。

キャリアパス

腎臓内科では、患者診療を支える専門性を確立した腎臓内科医を養成することを第一の目標にしています。専攻医3年間のうち、約半分は大学病院の腎臓内科で専門研修を受けて頂き、一般検尿から腎病理,透析診療まで幅広い腎疾患に対応できる姿勢を学んで頂きます。

また、腎疾患は糖尿病、心疾患、感染症や血管炎を中心とする膠原病などの様々な内科疾患が原因になることが多いという特徴があります。そのため、他内科の研修では、内科専門医取得に必要な症例を確保するだけでなく、腎臓専門医にとっても重要視される総合内科医としての成長も期待できます。

専門医取得後は、①大学病院、地域中核病院で腎疾患診療を支える ②研修医や若手内科医の教育に携わる ③開業医として地域医療に貢献する ④大学院へ進学し、基礎・臨床研究に通ずる医科学者を目指す など多彩な医師像を選択することが可能です。また、女性医師には仕事中心だけでなく、柔軟に働かなくてはならない場面があります。腎臓内科では多くの女性医師が様々な働き方で活躍されており、仕事と家庭を両立できるように支援しています。

先輩医師からのメッセージ

西本 雅俊

腎臓内科医を志望し、入局しました。腎臓は毒素物質および余分な体液の排泄のために尿を産生するだけではなく、造血因子をはじめ様々なホルモンを産生する内分泌器官として体の恒常性維持に大切な役割を果たしています。加齢に伴い腎機能は低下しますが、多様な外的・内的要因により低下の速度が加速されます。急激な腎機能障害やネフローゼ症候群を来し緊急入院した患者さんに自ら腎生検を行い、顕微鏡で組織を確認し、自ら診断し、治療方針を立てます。著名な先生の言葉にもあるように、組織を自分で確認できることが強みです。

上級医の先生方も知識が豊富である一方でとてもフレンドリーで、些細な事も遠慮なく相談できます。院外でも、大阪市立大学をはじめ他大学・他病院の腎臓内科医と合同でカンファレンスを行うなど、国内外への学会へも積極的に参加し、知識を深めることはもちろん、学会の空き時間にはみんなでわいわい気分転換もしています。高齢化が進む社会で、腎不全加療以外にも透析管理や腎移植前後のマネージメントも含めて、腎臓内科医の果たす役割もさらに大きくなります。少しでも興味があれば是非、見学に来てください。一緒に働けることを願っています。

一週間の業務例

← 図表は左右にスクロールできます。 →

午前 病棟研修・臨床研究 外勤 初診外来 腎生検 透析研修 月に1回程度当直 月に1回程度当直
午後 外来研修 教授回診・腎生検病理検討会・医局会
症例カンファレンス
週に1回程度当直

腎臓内科の業務の特徴として、腎生検と透析研修が挙げられます。腎生検は基本週1回木曜日に施行しておりますが、緊急症例がある場合は月曜日の夕方にも施行する時があります。透析業務は泌尿器科と分担しており、当科の担当は火・水・金です。毎週月曜日夕方からの症例検討会と木曜日の昼からは教授回診、腎生検病理検討会があり、治療方針を決定します。また、希望者には、興味のある分野に対して臨床研究の指導を行います。

当直業務は、循環器内科と合同で行っており、平日および休日併せて月に4回程度の当直業務があります。

GSコースの三年間

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4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月
1年目 腎臓内科 他内科 他内科 他内科
他内科 他内科 他内科 腎臓内科
1年目にJMECC受講
2年目 腎臓内科 他内科 他内科 他内科
他内科 他内科 他内科 腎臓内科
連携施設
3年目 腎臓内科 腎臓内科もしくは症例不足診療科
連携施設

1年目は基本的には大学病院で研修を行い、初期あるいは後期の半年間に腎臓内科で専門研修を受け、腎臓内科医としての基本的な姿勢を学びます。残りの半年間は他内科をローテートし、幅広い診療ができる一般内科医としてのスキルを養います。2年目は1年目と同様の研修、あるいは連携施設での専門研修、または一般内科研修を受けます。3年目は再び大学病院での研修が中心ですが、必要症例が不足している診療科にローテートすることも可能です。腎臓専門医を早期に取得できるように配慮したコースですが、個々の先生方の希望に応じて、柔軟に対応させて頂きます。

お問い合わせ

  • 奈良県立医科大学附属病院 腎臓内科(腎臓内科学)
  • TEL:0744-22-3051(代)

その他、詳細情報については特設HPへ

腎臓内科(腎臓内科学)特設ページ