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責任者からのメッセージ
笠原 敬(教授)
社会のグローバル化に伴い、微生物は人や物とともに地球規模で移動し、海外で発生した新興感染症は条件が整えば瞬く間に世界中に広がることを我々は2009年に新型インフルエンザという形で経験しました。また、地球規模の気候の変動により、感染症の流行地域が変化しデング熱が日本でも発生しました。さらに動物の疾病がヒトへ種を越えて拡大し、生活習慣の多様性によりAIDSや梅毒が増加傾向にあり、さまざまな要因により拡大する感染症の克服は容易ではありません。さらに、抗菌薬の繁用によりカルバペネム耐性腸内細菌科細菌など新たな耐性菌が増加する一方、宿主側の変化も大きく、人口の急速な高齢化と医療の進歩による副産物としての様々な免疫不全を呈した宿主が増加し感染症が重症化・難治化しています。それにより、感染性心内膜炎や腸腰筋膿瘍や化膿性脊椎炎、眼内炎などの血流感染も増加していますが、これらは適切な治療により克服できます。
当センターではこれらの変貌する感染症に対峙できるように、感染症に関する幅広い知識と経験、抗菌薬適正使用能力、視野の広い総合臨床力、感染管理能力、ワクチンの知識などを培い感染症診療と感染管理を幅広く研修できる場を提供し人材育成に尽力しています。
キャリアパス
期間 | 場所 | 内容 | 目的 |
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1年目 | 大学 | 感染症の基礎研修 | 感染症医としての土台構築 |
2年目以降 | 関連病院または大学 | 内科の総合研修+感染症研修 (基本領域と感染症専門医取得) |
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感染症専門医としての キャリアアップ・進路決定 |
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5年目以降 | 大学または関連病院 | ・感染症専門医として勤務(各種資格取得、専門医取得、留学等) ・感染症指導医として活躍(診療、教育、研究) ・医学博士取得 |
先輩医師からのメッセージ
西村 知子
みなさん、こんにちは。平成29年度から感染症センターに所属しております西村と申します。呼吸器内医として働いておりましたが、感染症を体系的に勉強したく母校に入局させていただきました。当科で対応する症例は非常に多岐な領域にわたり、HIV感染症はじめ大学病院ならではといった複雑な疾患,病態も多いです。ただ希少な疾患ばかりではなくcommon diseaseも非常に多く、様々に鑑別をあげて患者さんを全身的に評価する必要あり、日々学ぶことが多いです。血液培養陽性症例への介入やICTラウンドに参加する機会もあり、バランスの良い研修が出来ていると感じています。
当科には様々なバックグラウンドの先生方がおられ、大学院に所属し臨床と研究を両立されている先生もおられます。雰囲気もよく質問や議論も活発になされています。私は当初はグラム染色のやり方すら忘れかけているような心もとない状況でしたが先生方に温かく対応していただき、日々感染症診療に携われることにやりがいを感じています。みなさんよろしければ感染症センターで一緒に働きませんか?見学も大歓迎ですので、お待ちしております。
一週間の業務例
← 図表は左右にスクロールできます。 →
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 | |
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午前 | モーニング・カンファレンス | 月に1回当直 | 月に1回当直 | ||||
入院患者カンファレンス 部長回診 | 外来研修 | 病棟研修 | 抗菌薬ラウンド | 研修医レクチャー | |||
午後 | 学生レクチャー | 外来研修 | 病棟研修 | ワクチン外来 | ICTラウンド Journal club | 月に1回当直 | 月に1回当直 |
血液培養カンファレンス イブニング・カンファレンス |
入院患者の診療チームは常時2~3チームで構成し、毎日午前と午後にカンファレンスを行います。また毎日夕方にはその日の血液培養陽性患者についてのカンファレンスを微生物検査室で行います。実際にグラム染色を顕微鏡でみたり、発育したコロニーなどの観察を行います。
外来では肺炎や尿路感染症などのコモンな感染症はもちろん、様々な免疫不全患者に発症する日和見感染症やHIV感染症、海外渡航後の感染症なども経験します。ICTラウンドなどに参加し、感染対策にも従事します。
また学会発表や論文執筆なども経験していただきます。
GSコースの三年間
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4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 1月 | 2月 | 3月 | |
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1年目 | 感染症センター 他内科 | 他内科 (初期研修での症例経験を踏まえて柔軟に対応) | ||||||||||
2年目 | 症例経験進捗状況や希望を踏まえるが、原則関連病院にて研修。場合によって、大学病院にて研修。 | |||||||||||
3年目 | 症例経験進捗状況や希望を踏まえるが、原則関連病院にて研修。 場合によって、大学病院にて研修。 |
症例が不足する診療科をローテーション |
最初の1年間は大学病院での研修となります。新専門医制度に対応するため、他内科やERでの研修も行いますが、subspecialty専門医の早期取得も見据えた研修となります。Subspecialty研修では外来・入院患者診療や血培陽性症例のコンサルテーションを担当し、さらにHIV外来、ワクチン外来、寄生虫外来などの専門外来や、感染管理などに従事します。学会発表および論文執筆の指導も受けてもらいます。
この他に他の内科および連携施設のローテーションを行います。1年目では5月から月1回のプライマリケア当直研修を6ヵ月行います。また1年目にJMECC(内科救急・ICLS講習会)を受講していただきます。
連携施設
お問い合わせ
- 奈良県立医科大学附属病院 感染制御内科(感染症センター)
- TEL:0744-22-3051(代)
その他、詳細情報については特設HPへ